第5回
TALK to Me
変化を楽しみながら
ありのままの私でいたい
COLUMN
TALK to Me — 肌が教えてくれる、わたしごと。—
第五回目のゲストは、アパレルブランドでのビジュアルづくりの経験を生かし、フローリストとして花屋『whole(ホール)』を構えながらフラワーデザインを行う綱川禎子さんが登場。キャリア転換のきっかけから“好き”の見つけ方、忙しい毎日のなかでスキンケア時間の楽しみについてお話を伺いました。
変化を楽しみながら、ありのままの私でいたい
— 大好きなファッションの仕事から20代後半でフローリストへと転向された綱川さん。当時はどのような心境の変化があったのでしょうか?
独りで何かを始めてみたいという想いが自分の中で芽生えてきた時期だったんです。ちょうどその頃パートナーがよくお花を買ってきてくれたことをきっかけに、それまで無縁だったお花が身近な存在になっていて、彼からも「お花屋さんもいいんじゃない?」と言ってもらえたことから興味を持ち始めました。
— ライフサイクルも大きく変わって肉体的にも負担の大きい仕事かと思いますが、その環境を選ばれた魅力はどこにあるのでしょうか?
インターンから働かせてもらったお花屋さんでは、オーナーをはじめスタッフの女性たちがすごく職人気質でかっこよかったんです。間近で見ているうちにどんどん刺激を受けて、文字通り時間も忘れて、好きなことに対して無心で向き合う姿が本当にかっこよくて惹かれました。
— アパレルとお花の仕事、共通していると思うことはありますか?
お花も洋服も無数の種類があって、色合わせや素材合わせで楽しめるというところには通ずるものがありますよね。あとはやっぱり自分の気分を表現することができるというところが共通する魅力だと思います。
— ご自身の中でいつも大切にしてることはなんですか?
人との出会いやつながりは財産だと思っています。スタッフやお客さまなど、あの頃出会った方たちは、私の挑戦をいつも応援してくださって、とても大事な存在です。
— 「Whole」らしさもしくは、綱川さんの手がけるお花の特徴や個性はどのように捉えていますか?
その時の気分はいつも大事にしています。シックではあるけれど、遊び心も感じられるような「こんな組み合わせがあるんだ」といった感覚を大切に、何度も同じ組み合わせを提案しないということやその時々に感じるフィーリングを大事にしているところがらしさなのかなって思います。
— 常に新しい表現を生み出すために、日々どういったところから刺激を受けていますか?
完全にお休みが取れるときは、大好きなキャンプに行くようにしています。インスピレーションとまではいかないですが、季節や空気感、肌で感じる気温、そこでつくる食事や周りの景色も全然違うので、行くたびに気持ちがクリアになって整理されるような感覚があります。
— この数年間を振り返って、精神的な変化を感じることもありましたか?
ここ数年で大きな仕事を任せていただく機会が増えてきて、最初は緊張や不安から戸惑うことも多かったのですが、やっと最近はその緊張感にも適度な距離感で向き合えるようになってきました。本来挑戦することが好きな性格で、できることを何個もやってもつまらないので、自分のなかでイメージできることはどんどん挑戦しようと決めてやってきました。
— 年齢とともに肌や体にも変化は現れると思いますが、どのように向き合ってきましたか?
気持ちに体力が追いつかないということは少しずつ増えてきましたね。そういうときに休めればいいんですけど、この仕事は半年先まで予約が埋まっていたりもして、なかなかスケジュールのコントロールが難しいんですよね。だから、とにかく気合いです。あとは、楽しむこと。早朝の市場も眠いし、今の時期は寒くて辛いんですけど、行ったら楽しい。週替わりで季節も進んでいくので、行くたびに発見があったりして。楽しむ気持ちを大切にして、気持ちを立て直しています。
— お花から四季を感じることができたり、触れることでエネルギーをもらうことができますよね。忙しい日々のなかで自分のペースを保つために大事にしている時間とかありますか?
最近は耳周りのマッサージにハマっています。以前イベントでご一緒した方から教えていただいたのですが、耳の周りをマッサージすることで神経が整って目も元気になるし、とにかくスッキリするんです。車移動の合間にささっとマッサージしたり、夜寝る前に続けるようにしています。
— ハードワークのなかでも、肌のために続けていることはありますか?
なるべく湯船に浸かること。あとは、化粧品はラインで使うようにしています。詳しい方だとアイテムによって使い分けたりされると思うのですが、私はあまり分からないタイプなので信頼できるアイテムを見つけたら、まずは一式使ってみるようにしています。同じものを使うことで肌の揺らぎが少なくなったような気がします。
— 肌悩みはありますか?
毛穴には長年悩まされてきました。忙しくてメイクを落とさずに寝てしまう日もあるので、最近はクレイマスクでケアしています。多忙ゆえにケアがあまりできていないのが悩みですね。
— TOUQUというブランド名には、価値あるものに触れることで調子を整えるという意味が込められています。綱川さんが自身を整えるために日常で大切にされていることはありますか?
お気に入りのフレグランスを纏ったり、お風呂でキャンドルを焚いたりと好きな香りに癒される時間を大切にしています。お店でもオリジナルのキャンドルをつくるほど香りモノが大好きなのですが、いろいろな香りを試すうちに自分の好きな香りのタイプが分かってきました。最近はジャスミンの香りが落ち着くのでとくに気に入っています。
— 好きなものを知るために大切なことってなんだと思いますか?
いろんなものに触れることですかね。洋服だったら、いろんなジャンルのものを着たり、いろんな色のものを着てみるなど。好きって感覚は経験によって導かれていくことがあったりするので、逆に嫌いなものを知ることで、消去法のように好きが見えてくることもあるかもしれませんね。
— お花選びでも要望を上手に伝えることができない方もおられると思いますが、そういった方の希望はどのように引き出していますか?
たとえば、「お店にあるお花の中で目に留まるものはなんですか?」とお伺いして、1輪だけでも選んでいただくようにしています。それでも選べないという方は、「今はどういう気分ですか?落ち着きたいですか?それとも気分をあげたいですか?」など質問してヒアリングをするようにしています。落ち着きたい気分の方には少しシックなイメージで選んだり、逆に気分を上げたいという方には、少しエネルギーを感じるような色みのお花を提案したりしています。
— TOUQU to tone の商品の中で気になるアイテムはありますか?
固形石鹸が好きなのですが、このシュガーソープは洗い上がりのさっぱり感に驚きました。最近は洗い上がりがしっとりした質感になるものが多い印象があったのですが、私は個人的にこのくらいすっきり洗い上げてくれるタイプが好きなんです。かといって、急いで化粧水をつけなくても乾燥が気にならなかったというのもポイントですね。
— 固形石鹸の魅力はどういうところにあると思いますか?
固形石鹸は毛穴対策にいいと以前美容に詳しい方に教えてもらったことがあって、それから好きになりました。あとは、個人的に固めのもこもこした泡が好きなので、好みに合わせて固さを調整できるところが魅力だなと思います。
【Profile】
綱川禎子(つなかわ・よしこ)
フラワーショップ『whole』オーナー、フローリスト。1987年生まれ、東京都出身。セレクトショップ『ロンハーマン』勤務後、都内のフラワーショップでアルバイトを経験し独立。2017年に花屋『whole』をオープンさせ、オーナーを務める。
instagram:@tsuuuuuna
【Staff credit】
Photograph: Yu Inohara
Interview&text: Mikiko Ichitani
TOUQU to tone トークトゥトーン
素肌ととのう キレイはぐくむ
調子のいいとき ちょっと疲れているとき
肌はいろんなサインを教えてくれる
肌にふれ 心にふれる
スキンケアタイムは自分をととのえる
価値ある時間
素肌がきれいになっていくと
誰かに思わず話したくなる
きっと肌の方から語りだす
もっと肌トークしよう