第2回
TALK to Me
私を整える
”好き”のチカラ

第2回<br>TALK to Me<br>私を整える<br>”好き”のチカラ

COLUMN

TALK to Me — 肌が教えてくれる、わたしごと。—
第二回目のゲストは、“おみゆ”の愛称でファッションページや広告のモデルとして活躍するかたわら、文筆家としてエッセイの執筆、ラジオやポッドキャストのナビゲーターなど幅広い分野で表現を続ける小谷実由さんが登場。表現の軸になっている “好き” という気持ちとの向き合い方やスキンケア時間の楽しみ方についてお話を伺いました。

 

私を整える”好き”のチカラ


— おみゆさんといえば、自分が好きなモノ・コトに対する無垢な気持ちを
大切にされている印象がありますが、そういった感覚は子供の頃から強かったのでしょうか?

モノを集めるのは子供の頃から好きでした。モデルという仕事をやってみたいと思ったのも、お洋服が大好きだったことから。小学生からファッション誌を読むようになって、可愛い服たちを全部買ってもらうことはできないけれど、とにかくいっぱい着てみたい!と考えて行き着いたのが、ファッションモデルという職業でした。

— 14歳から事務所に所属されて、現在まで活動を続けていらっしゃいますが、
  これまでを振り返ってご自身のなかで向き合い方や気持ちにどのような変化がありましたか?

一番初めに入ったのは大手の芸能事務所でした。ファッション誌よりも広告や演技のお仕事が多いところで、たくさんの人が関わって一つの作品を創りあげていく環境にたくさんの刺激を受けました。でも、やっぱり好きなお洋服をたくさん着て雑誌に出たいという子供の頃からの夢が諦めきれなくって、大学卒業を機に別の事務所に移りました。

— 選択肢が広がるとついついあれもこれもとやってみたくなりますが、
原点回帰して自分のやりたいことができる環境を模索されたというのは、
とてもおみゆさんらしいなと感じます。

自分の好きなものと向いていることは必ずしもイコールにならないし、向いていても一番好きなものになるとは限らない。それでも、やっぱり憧れが捨てきれなかったんですよね。周りから難しいと言われることも乗り越えることでやりがいを感じたくて、新しい環境を選びました。


— 今では、憧れだったファッション誌のモデルだけでなく、
好きなモノやコトについて文章や音声コンテンツとして発信をされたりと活動の幅が広がっています。
好きなこととはいえ、忙しさから心や肌に影響が出ることもありますか?

最初のうちはあまり感じなかったのですが、最近は一区切りがつくタイミングで、大きなニキビができたりとストレスや疲労のサインを感じることも増えてきました。気持ちを紛らわせることは得意なのでついつい見逃しがちですが、年齢とともに体が正直になっているなと感じます。ニキビは嫌ですけど、自分自身の心と体の大切なコミュニケーションのひとつなのかなと思っています。

— そういった変化を感じたとき、自分を立て直すために始めたことや
意識されるようになったことはありますか?

やっぱり良質な睡眠が一番だと思います。そのためにもお風呂にちゃんと浸かることを意識するようになりました。せっかちな性格でこれまで長風呂が苦手だったのですが、好きな読書タイムをお風呂のなかで取るようにして、この本を読むためにお湯に浸かろうというようなマインドで続けています。あとは、ストレッチをしたり、入眠に良さそうなアンビエントの音楽を探してカセットで聴いたりして整えています。

— 良質なアウトプットのために普段から意識されていることはありますか?

自分の気持ちをきちんと伝えること。自分自身の本当の気持ちに一番近い言葉の選び方ができるように、パッとアイデアが思い浮かんだ時は忘れないようにメモをしておくとか、気持ちを記録して覚えておくことを意識的にしています。日常生活のなかで、「いいな!」と思ったものをちゃんと逃さないみたいな。そういう日々のちょっとした気づきみたいなものが通りすぎないように、しっかり捕まえておくということを大切にしています。

— ポッドキャスト「おみゆの好き蒐集倶楽部」では、
  多くの方たちと“好き”をテーマに対話をされていますが、
自分のなかのアイデンティティを他者と交換することによって新たな発見や気づきなどもありますか?

収録の前は、自分の好きなもののことや相手のことをたくさん考えるのですが、何度も考え続けることで自分の意見に自信がつくし、相手の反応からこのままでいいんだと肯定されるような気持ちになります。もちろん、それまで知らなかった世界について話を聞くことで新しい発見や好奇心も刺激されます。それは話す相手にも、その相手が好きなものにも。対話を通じて私のなかの価値観が増えていくのを感じます。


— TOUQU to tone というブランド名には、
「価値のあるものに触れることで、調子を整える」という由来があります。
おみゆさんが日常でご自身を整えるために大切にしている時間はありますか?

好きなものに触れる時間は、自分自身の気持ちや感覚を再確認させてくれます。ありがたいことに、好きと仕事が直結しているからこそ気持ちがふわふわしてしまうこともあるのですが、「そうそう、これが好きだったんだ」と思うことで仕事に向き合う気持ちも初心に戻れるということも。気持ちの高揚を感じることで、不安や悩み、悲しいことを一時的にでも忘れることができますし、パワーをもらえるものだと思うので。だから、元気がないときは好きな映画を観たり、好きな音楽をひたすら聴くようにしています。

— まるで栄養のような存在ですね。他にも生活のルールとして意識していることはありますか?

本当に心の栄養だと思います。生活のルールとしては、嫌な気持ちを明日に持ち越さないこと。緊張して眠れないときは、これだけ準備したから大丈夫と自分の気持ちを落ち着かせてから明日を迎えるようにしたり。些細なことで家族と喧嘩をしたときも、そのままでは寝られないのでその日のうちに解決するようにしています(笑)。

— お仕事のことも好きで、さらに好きなことにも一生懸命向き合っていると
ついつい頭の中がいっぱいになってしまうこともあると思うのですが、
そういうときはどうしていますか?

確かに、20代のときは常にキャパオーバーで頭のなかがぎゅうぎゅうになっていました。今は、別に好きだからといってずっと向き合っていなければいけないわけではないし、なんでもやりすぎはよくないので、適度な距離感を保つことを意識しています。あとは、本当に何もしない日をつくる。家族以外誰にも会わず、何も予定を決めない。今日はもう絶対に何もしない!と心に決めて、昼間からソファーでぼーっとしたりする時間を過ごすことで、気持ち的にも頭の中にも余白が生まれやすくなりました。


— 収集癖のあるおみゆさんが、美容アイテムでついつい集めてしまうものはありますか?

シートマスクですね。何枚あってもいいですし、その日によって気分もコンディションも違うので、効能や質感、香りなどいろいろな種類を集めています。自宅にはシートマスク専用の引き出しがあって、「今日はどれにしようかな」と選んでいる瞬間が楽しいです。

— メーキャップアイテムも集めたりされますか?

以前はリップを集めるのも好きだったのですが、コロナ禍のマスク生活で口紅を塗る機会が少なくなったからか、荒れやすくなってしまって。最近は、アイシャドウやチークといった口から上の印象を変えるメイクアイテムに注目しています。特にチークは繊細な質感のものが増えてきて、テクスチャーや発色もさまざま。違いを試してみるのが面白いですし、メイクの楽しみ方や気になるポイントが移り変わってきましたね。

— お仕事柄、美容に触れる機会も多いと思いますが、
自分に合うものを見つけるために大切なことはなんだと思いますか?

基本的には好きなものをつけたらいいと思っています。それでも、似合わないと思ってしまうものもありますが、最近では色味や発色、質感のグラデーションが本当に細かくって、そこを追求していけば自分に合うアイテムや使い方が見つけやすくなるのかなと。好きなものが似合うだけでなく、似合うものが好きという人もいますし、好きになるきっかけはたくさんあると思うので、いろいろ楽しみながら試してみて欲しいです。


— TOUQU to tone の商品の中で気になるアイテムはありますか?

シュッと手に取り使える「ナノ バブル バランシングローション」がお気に入りです。使う前に容器を振ると、細かい粒子のナノバブルが発生して、どんどん肌に入っていく感じがします。あのシュワワッとした感じが好きで、ついついたくさん振りたくなっちゃう。あと、手にすっぽり収まるボトルのサイズ感も可愛くって愛着が湧きます。

— おみゆさん一押しの使い方を教えてください。

自宅で作業している日は、洗面所へ行くついでにサッと使って、肌と気持ちをリフレッシュしています。夏場はエアコンをつけっぱなしにしているので肌も乾燥しがちですし、仕事が煮詰まってくると「肌が乾燥しているかもしれないからつけなきゃ」って、ついつい手を伸ばしてしまいます。自宅だと気分も変わらないし、なんだかんだずっとやり続けてしまうので、お茶を飲んだり、コーヒーを淹れたりというような気分転換がサッとできて、肌にもいいというのは嬉しいですよね。

— 最後に、これから先どんな肌で、どのように歳を重ねていきたいですか?

いくつになっても人となりが出る見た目でいたいですね。シワですらもチャーミングに見えるような表情だったり、立ち振る舞いができる人になりたい。そのためにもまずは中身から自分を磨き続けることが大切だなと思います。外見のケアも大切ですが、中身を充実させることで顔つきや印象にも反映されると思っていて。自分で自分の顔を見た時にいいなって思えるような、そういう考え方とか振る舞いができるようになりたいです。


【Profile】
小谷実由(おたに みゆ)
14歳からモデルとして活動を始める。自分の好きなものを発信することが誰かの日々の小さなきっかけになることを願いながら、エッセイの執筆、ブランドとのコラボレーションなどにも取り組む。2022年7月に初の書籍『隙間時間(ループ舎)』を刊行。猫と純喫茶をこよなく愛する。愛称はおみゆ

instagram:@omiyuno
Podcastおみゆの好き蒐集倶楽部



【Staff credit】
Photograph: Yu Inohara
Interview&text: Mikiko Ichitani
Hair & Make up: Boyon Iee:boyeonlee__

 

TOUQU to tone トークトゥトーン

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