わたしがわたしを好きでいつづけるために、いま改めて美しく生きることについて考える。仕事への向き合い方から、日常における意識の持ち方、身体に取り入れるものや習慣にまつわるお話を通して、自身の好きに素直に生きる6名の女性にインタビューする連載企画です。第３回は、フード/プロップスタイリスト兼PRの山崎由貴さんが登場。ロンドン留学を経て気がついた、好きな仕事をするために欠かせない指針についてお話しいただきました。

ロンドンの暮らしが教えてくれた
自由な人生に必要なこと

大学で栄養学を学び、管理栄養士の道へと着実に進んでいた山崎さん。しかし、数字にのみ特化した仕事であることに違和感を抱き、他の道を模索し始める。
「管理栄養士の仕事は、美味しさや見栄えの良さは必要とされません。学んでいく中で気がついたことですが、それは私のやりたいこととは違うなと思い、親子二代で営んでいる料理学校でアシスタントとしてアルバイトを始めました。先生は書籍も作っている方で撮影にも同行したのですが、そこでフードスタイリストという職業を知り面白そうだなと思って。大学卒業後は、ロンドン留学に行くことが決まっていたのですが、そこで漢方のような感覚で使うハーブの勉強をしようと決めました」
メディカルハーバリストを学ぶべく、ロンドンの専門学校に通った山崎さん。学校での学び以上に、ロンドンで暮らす人々にとても刺激を受けたという。
「日本だと、社会的にこれをしないとだめという意識が強いと感じていて。大学を卒業したら就職するとか。でも向こうでは、何歳で何を始めてもいいし、肩書きにこだわらず好きなことをしています。自由に好きなことをする分、人のせいにはせず自分で責任を持ってやる。そういう姿勢を学べたことが一番大きかったなと思います」

フードスタイリストに
大きな転機となった雑誌連載

ロンドンでフレキシブルな働き方、生き方を考えられるようになり、1年後に帰国。現在の仕事にたどり着くまでに大きな転機があった。
「美容専門誌の『CYAN』という雑誌から、料理の連載をしないかというお話をいただいたんです。毎月、ハーブをひとつと、それにまつわるレシピやコスメを紹介する企画でした。その際、レシピを紹介するにあたって料理も自分で作っていたのですが、プロップのスタイリングもできるかと聞かれて、経験はなかったのですがやりたいと伝えたら、私に任せてくださって。そこで自由にやらせてもらえたことが、いまに繋がっているなと思います。料理の栄養価計算、献立を立てるところから、調理、フード/プロップスタイリングまで、求められた部分に応えるようにお仕事させていただいています」

回り道をしてもいい
ゴールを叶えるための柔軟性

フード/プロップスタイリストの夢を叶えた一方で、週末は友人のブランドもPRとしてお手伝いしている。自身の好奇心の赴くままに仕事を創造していく山崎さんが思う、美しい人とは。「しなやかな人ですね。芯の強い人はかっこいいですが、芯が硬くて強いと折れやすい。でも、柔軟性があれば曲がることができて、折れることはないですよね。その状態が一番強くて、美しいんじゃないかと思います」。
自身がしなやかにいられるように、日々意識していることについても話を聞きました。
「若い頃は短期的なことに捉われていたのですが、いまは何事も長い目で見るようにしています。たとえば、私は食べることが大好きですが、1回の食事のカロリーを気にすることはしません。1ヶ月のスパンで帳尻が合うように調整したり、食べすぎたなと思う日は歩くようにしたり」
ブランドのPRの仕事では、身だしなみとしてヘアケアも心がけるようになった山崎さん。

「ここ２年くらいハイトーンを続けているのですが、もともと硬毛、乾燥で扱いづらい髪質なので、保湿やうるおいは今まで以上に気にするようになりました。ミューツのオイルは、まず手に収まるサイズがかわいい！ 軽いけど浸透が早くて、ブリーチ毛にも良さそうです。香りにはこだわりがある分、最近流行りのウッディな香りが自分から香るのは苦手なのですが、このオイルは柑橘系の柔らかい香りで癒されます」

【Profile】
Yuki Yamazaki
幼少期からの料理好きが高じて、大学では栄養学を学ぶ。卒業後、メディカルハーブの知識を習得するために渡英。2015年に田中伶子氏、中村奈津子氏より独立。フード、プロップスタイリストとして活躍する傍ら、アパレルブランド「stein（シュタイン）」とセレクトショップ「carol（キャロル）」のPRも担当。
instagram：@yukiyamazaki__

【Product】